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2015/01/31 歯根破折の予兆2

歯を失う原因に歯周病、齲蝕(虫歯)と並んで歯根破折があります。
ご自身の歯をご自身の咬合力(噛む力)で壊してしまうのです。
予兆がかすかでも現れた昨日の症例とは違い、レントゲンでは
予兆が隠れてしまうものもありました。
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他院から転院された来院者さん 主訴は左上のブリッジがういている
補綴はきれい
歯周組織にも配慮されている。きっと補綴や歯周治療に熱心な先生だったのはないかとおもいます。
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左上7番を写真縦の方向にクラックラインが認められます。
この方向だからレントゲンに映りづらいのか?
頬舌の歯周組織の厚みがあついから隠されてしまうのか?
レントゲンの画質の問題なのか?
この破折の予兆をレントゲンだけで予見する事が出来ませんでした。
破折の原因をあえて考察すると
カリエスが大きかったからとはおもいますが、残存歯牙の量が少ない
根管の拡大が大きいなどが考えられます。
また咬合接触が極端にすくなく偏っている
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左右側面からも緊密でない、バイト材が抜けてこない。
セラミックの咬合面での全顎補綴が難しい事がうかがわれます。
こんな事も歯根破折の原因の一つかと思います。
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上顎の修復をやりかえて義歯補綴をおこなうことで均等な接触を獲得
しました。
はたしてこの噛み合わせがどれだけ長く維持できるか?は目下のところ不明ですが
来院者さんの手の及ばない領域だけに責任を持ってメンテナンスしていく必要があるように思います。

by nooji1 | 2015-01-31 01:42