2015/08/28-30 救歯会サマーセミナー

今年も年に一度の救歯会夏合宿に参加して参りました。
テーマは咬頭嵌合位の回復と保持
初日の夜から
 吉野先生の論文報告の状況説明。現在救歯会は、歯根破折の予兆についての調査が行われています。
二日目に全員発表
嵌合位を回復、保持する 
統一テーマは大変秀逸でして、ではどうなったら嵌合位は回復できたのか?
どうなったl嵌合位は保持できているのか?
咬頭嵌合位は臨床咬合学事典によると、上下顎の天然歯あるいは人工歯が咬合接触する事により決定される咬合位の一つ上下額歯列がもっとも多くの部位で接触嵌合した状態の顎位とあります。
最大接触していたら咬頭嵌合位と呼べるのでしょうか?
天然歯での嵌合状態で数点しか咬んでいない人もいます。 歯並びが悪くても問題なく咬んでいる方もいます。
その方はもともとの咬頭嵌合位はないのでしょうか?
逆に人為的に最大接触点を付与させたらそれは咬頭嵌合位なんでしょうか?
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この方は過去にほとんどの歯をクラウンで修復してあり、接触点が乏しかったため
上下修復を行いました。接触点は増えました。
しかし多分もともとこのような接触ではなかったはずです。
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歯ぎしりの強い方なので5年もしないうちに点が面になってきます。
面になると言うことは上下の写真はすでに高さがわずかに低くなっている可能性があります。
数ミクロンのレベルですが、当初与えたはずの顎位(高さ)は維持できていない事になります。
定義では上下とももっとも多くの部位で接触しているはずなので、上の写真をこの時の嵌合位
と呼べるのであれば、下もまた嵌合位ということになります。
でも上下の嵌合位は別のものであるといえます。
歯は絶えず動いてすり減って、上下の関係を変化させていく
そんなものである事を再認識しました。
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by nooji1 | 2015-08-30 13:35 | Trackback | Comments(0)

2015/08/13 夏合宿こぼればなし4

診療室は定期メンテナンスとお盆前の大掃除の最中ですが、院長はシリコーン印象材の上下が分離しない方法を探しております。 以前鷹岡先生に「シリコーン印象材をつかっての咬合印象法は少しやりにくい」というお話をお伺いしていたのを思い出しました。 こういうことか・・・。
誰かに聞いた方が早かったかなと反省もしつつ思いつくものを試していきます。
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前回失敗した方法を追試
やはり和紙とシリコーン印象材ははがれてしまう様です。
接着剤を用いてもはがれてしまいました。
そもそも咬合印象法は寒天アルジネート連合印象法で行うもの。
和紙はその線維の間に親水性のアルジネートが入り込みよくなじむのでしょう。
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ならばシリコーンが機械的に噛み込んでくっつくものがよかろうとティッシュを試してみます。
悪くないのですが、そもそもティッシュ自体が弱いので非常に使いにくい。
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しかも和紙より厚い(笑)
そういえば前に接着剤の接着力低下の折にアクリル板に強力に接着剤が接着する事
に気づきました。
もしかしたら被着面が高分子材料の方が接着しやすいのかと思い、思いついたのが
サランラップ
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取り扱いはしにくいですが、やはり良く接着するようです。
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厚みも16µmと格段に薄い。
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実際にインプリンシスで印象を採ってみました。薄いところもはがれずに接着している様です。
あと考えてみたのですが、インプリンシスも7分ずっとずれない様に保持していなければ
ならないものでもない。よほど嵌合位が不明瞭でもない限り7分でも行けるのではないか?
と考えました。
次回ようやく印象採得です。
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by nooji1 | 2015-08-13 22:55 | 補綴 | Trackback | Comments(0)

2015/08/11 夏合宿こぼればなし3

K型バイトトレーを用いた咬合印象法にトライしております。
和紙を用いて上下同時にシリコーンでまず予備印象
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勝手がよくわからないので、術前にブルーシリコーンで近接域や接触の状態をみておき
比較をします。
この被験者の方はかなり再現性良く同じ様にいつも噛んでくださいます。
印象材はレジン個歯トレーですが、サンキンのアクアジル
本当は個歯トレー圧接時の印象圧が一番手になじんでいるトクソーインプリンシス
を使いたいところですが、口腔内保持7分はとても嵌合位を維持できないと判断
4分くらいのものを選択しました。
おかげさまで個歯トレー内面の間隙をどのくらいにしたらいつもの印象圧くらいになるか
全く分かりませんでした。
なんとか採得できたのでラボへ送り、数日後にラボから電話がかかってきました。
聞くと「上下の模型の間に石膏がながれてしまった」とのこと
戻ってきた印象と咬合器にマウントされた模型をよく見てみると、和紙とシリコーン印象材が接着していない!
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しかも採れたかとおもった個歯トレーも接着性が落ちているようで、石膏が個歯トレーの
マージン部に残っておりました。
時間的にはもうひと月をきっている・・・。
今回の比較実験のプロトコールは
印象採得
ラボで咬合器付着
一度クリニックに戻してもらい
改めて某歯科メーカー本社に送り、光学印象→CAM
E-max CAD をクリニックに納品後
再びラボへ
E-max press をクリニックに納品
クリニックで同一被験者に対して比較 という行程となっている為
日程的にぎりぎりなのです。すこーしこのまま帰ってきた模型で進めようかという悪魔が耳元でささやきます。
被験者は通常の来院者ではなく、テストに理解して協力していただける方ですがアポイントの都合もあります。
しかし
この行程でエラーをしてしまうと、後の比較は意味がなくなってしまいます。
自分のクリニックだけの試験なら、失敗ですむかもしれませんが
今回は善意で協力していただいているラボと某材料メーカーの双方を比較してしまうという形になってしまい
ました。
自分がいい加減な事をして人様を評価をするような人、私大嫌いなんです。
なので再印象(ついでに再形成)から戻る事にしました。
果たして間に合うのでしょうか(笑)
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by nooji1 | 2015-08-11 21:05 | 補綴 | Trackback | Comments(0)

2015.08.10 合宿準備のこぼれ話2

間接法にCAD/CAMはどれだけ近づけるかという比較を
主に外面適合に着目して行っております。
 咬合時の歯牙の変移とほぼ無圧状態で採られた模型の誤差を修正する方法に「咬合印象法」
があります。K型バイトトレーを用いて採得します。
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こんな形の特殊なトレーを使い、上下の間に和紙をおいて上下の歯を噛ませた状態で一気に
採る方法です。
 通常は寒天アルジネート連合印象を使うこの方法ですが、少々やりづらいですがシリコーン印象材
でも採得が出来るらしい・・・。
という訳でこの辺りの試行錯誤がこぼれ話となります。

 試験は咬合印象法で採得、咬合器にマウントした模型をスキャンしてつくったE-max CADと
スキャン後にラボで作製されたE-max press の外面適合を比較し、なおかつ術前の通法で作製
された間接法のPGAアンレー修復と比較するというものになります。
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まずk型バイトトレーに付属している和紙について
 実際にアルジネートで採得してみると、噛みつぶれてかなり薄くなる様ですが、乾燥状態では70µm
この厚み分は上下模型に隙間が出来る。
また修復歯が上下で噛んでいない場合は、その部分のみ変位せずにいる為
通常よりも低くできてしまう問題があります。
支台模型を変移させる為にレジン個歯トレー法を併用する事にしました。
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by nooji1 | 2015-08-10 03:29 | Trackback | Comments(0)

2015.08.08 合宿準備のこぼれ話1

救歯会は年に一度サマーセミナーという夏合宿をおこないます。
ほぼ全員の先生が参加され3日ほぼ歯の話をするという非常にストイックな会です。
 2日目のナイトセッションで
 「間接法 VS デジタル」というお題での出題をする機会をいただきました。
頂いたお題を自分の立場から語る事は出来ないのですが。
間接法で技工士さんと試行錯誤している現在の到達点に、(ちょっとかじっただけの私が)CAD/CAMがどのくらい近づく事ができるかという感じで出題する事にしました。
CAD/CAMについてはつい先日デモで某メーカー様とお話をした程度なのに・・・

こんな感じの代物です。
もしかしたらこれは発表に穴をあけるかもしれないという心配もありつつ、当日の発表には出てこない
試行錯誤の部分をこの場に書こうかとおもいます。
この方法の最も違和感に感じたところは。
 1. 上と下の模型をそれぞれ別々にスキャンする。
2. 噛み合わせたところを横からスキャンする。
3. 上下の関係を2を参考に1の上下の模型をうまい具合にコンピュータ上で位置合わせする
というくだりです。
 そもそも噛み込んだら歯は位置が変位するのに、噛んでいない上下の模型がうまく合う気がしない。
1と2は違う形になっているのが普通。
これは通常の印象模型とバイトを使った間接法でも問題になる部分です。
この問題を従来は人の知恵と技術で調整して、わずかな差を埋めるべく努力して位置づけしているかと思います。
上記3を画面にはでてこない数式や方程式で位置づけがはたして出来るものなのでしょうか?
大変な不安があります。
  もしくは加圧して変位した状態の歯牙の咬合面からのスキャンが出来ないか?
と考えて至ったのが今回の試験。
やや大仰に書きましたが、のじでんごときが思いつくような事なので、とっくに先人の先生方がやられているかもしれませんが・・・。
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by nooji1 | 2015-08-08 02:42 | Trackback | Comments(0)

2015.08.03 CAD/CAMについて考える

先日 材料屋さんの勧めで当院に某メーカ様の歯科医院用CAD/CAM機のデモに来ていただきました。
歯科用の3Dプリンターの様なものです。
コンピュータ上で作製した詰め物をスキャンして、プリントアウトするかの様にブロックを削りだして
実際に詰め物被せものをつくるという代物です。
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実際に模型をスキャンしてコンピュータ上で被せものを作製し、ブロックから削りだした被せものを
スキャン前の模型に戻したところ。マージンフィットが残念です。
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マージン部を拡大したところ。100µm前後のミスフィットを生体は許容するような事を聞いた事も
あるのですが、生理的にこの光景は受け付けません。
やり方によっては有効な方法なんだろうか? しかしこの機械では技工士の手を超える事は到底出来ない
事はわかりました。
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by nooji1 | 2015-08-03 02:29 | Trackback | Comments(0)

2015.08.01 院内勉強会

月に一度の院内勉強会を行いました。
 今月から抄読書籍があたらしくなりました。
医歯薬出版 三上直一郎先生 著
 「口を診る・生活を読む」
 第一編 診ること・読むこと
前作の「歯肉を診る・歯肉を読む」よりももうすこし来院者の生活背景や
パーソナリティーを含めて術者がどう疾患を持つ来院者と向かい合うかが書かれている様におもいます。
2編以降も大変楽しみな内容です。

院長出題の問題発見
初診時の問題発見。今月は初診からの処置後、経過から再治療が必要となった症例
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治療を経て骨頂の安定が得られた様に思ったのですが、#27近心の評価が甘く
再治療を行う事になりました。
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by nooji1 | 2015-08-01 02:12 | Trackback | Comments(0)