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2016/07/1-/3 臨床歯科を語る会に参加してきました

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今年も年に一回行われる勉強会「臨床歯科を語る会」に参加して参りました。
全国の臨床医が集まって行われる会です。
前夜祭後に、分科会の予演を終えた後
救歯会は大概新人発表のお手伝いをする事が多く
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出題者は前夜ほとんど寝ることが出来ないのが常です。今回は上石神井のK先生が出題されました。
発表大変お疲れ様でした。
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二日目の分科会は、「根管治療難症例への対応」で出題を行いました。
 先日ブログでも掲載したように単純なエンドではない根尖方向からの破折について出題したため、
若干企画の趣旨と外れたものを出題して大変心苦しかった訳ですが、マイクロスコープやCTをテーマと
した分科会でも、臨床医の集まりなので、非常に勉強になるコメントを頂きました。
なかなか良くならない根管治療の何割かには破折が絡んでくることが多く、根尖方向からの破折に関しては拡大視野での観察は非常に有効と考える反面、対応がなかなか難しい事を再確認しました。
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火曜会の先生方も出題されました。著名な先生方 
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テーブルクリニックでは「臨床記録としての動画撮影」に参加して参りました。
 咬合を記録する上で 咬合接触 顎位 顎運動が重要とのことでしたが。
いずれも再現性のある記録をとることは難しい事と認識しております。
三者の中で比較的規格性が得られやすいのが、顎運動の「基本運動」のように思います。
 咬合接触は実は難しい・・・
  上下の歯牙の間に何かが挟まらない状態で咬合接触を見る事は不可能です。
 模型上では「間接法」の問題があらたに絡み、これも実際の接触像を見る事は不可能
しかし顎運動の映像は、規格性さえ整えればかなり正確に再現性もよく記録できそうな気がします。
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NDの会の先生方が取り組まれている顎運動記録の実際をデモ付きで発表して下さいました。
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最終日の全体会では左右すれ違い傾向の補綴処置について議論がなされました。
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このような終末像の来院者についてどのような処置が望ましいのか?経過を踏まえて討論されました。
終末像にいたった来院者は通常7-80代
 商業誌や巷の商業的なセミナーで行われるような、大規模な骨造成を伴うインプラントが出来ない様な
状況になっていることが多いとおもわれます。
顎堤吸収が顕著で移植も難しい。 口腔内の補綴処置だけではままならない状況です。
印象的だったのはK先生O先生の、術者-来院者間の関係性や年齢的ギャップ、それまでの歯科的既往から
処置方針が影響をうける事です。 近日出版された 臨床ファイルV 「咬合崩壊と2次固定」の出版にいたった経緯なども明らかになったことです。
 なかなか行えば安定になるとわかっていつつも、加圧因子である上顎臼歯部を抜歯させてもらう事はできません。 なぜならいままで来院者は、残したくて処置に入った結果、先生に「抜歯しましょう」と言われ続けてきたわけですから・・・。
 この抜歯はいままでのとは性質が違うとしても、来院者の理解と共感が得られないのは間違いのないこと。
しかし、通常の咬合支持がある方と同様にノンディレクティブで、気付くまで様子が見られない差し迫った状況である事も確か。
 だからそうなってしまう1歩手前・2歩手前でそうならない様に介入していくことが大事という考え方になる。
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よくケースプレのタイトルに用いられる「すれ違い一歩手前」といわれる状況が、ケースプレの話題になる所以です。
黒田昌彦先生はこの2歩手前の状況に、下顎を減らさない手段の重要性をコメントされました。 救歯会では幾度となく指導して頂きました。大変分かりやすく指導して頂いていたことを痛感しました。
終末像に至らない様に2歩手前で、どのように介入するべきか?、背反する介入をしないでも、終末像へ至らない症例との見極めについて今後は掘り下げられるようになるのでしょうか?
来年がとても楽しみな全体会の内容となりました。
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最後にK先生とご一緒にお写真撮影。 大変リスペクトしておりますが、なかなか緊張でお近づきにくい大先生
です。  臨床ファイルV 「咬合崩壊と2次固定」に稚拙ながら執筆させて頂き恐縮と同時にたいへん嬉しくもありました。 有り難うございました。
また来年も参加したいと思います。

by nooji1 | 2016-07-04 12:26