2017/10/06 上顎への「加圧因子」?
一般的な考え方かどうか分かりませんが、加圧因子が深刻な事態を引き起こすのは「下顎の受圧条件に対向する上顎の加圧因子」だと思います。上顎の遊離端と違い下顎には支持負担できる領域に限りがあるからと学びました。
来院者さんは上顎義歯が落ちてしまうと言うことを主訴に御来院になりました。前医からは上顎へのインプラント埋入をかなり強く勧められていたとの事
咬合高径は顔貌や前歯部の状態からはほぼ適正
前方と左右側方に偏った加圧をすると動画のように転覆してしまいます。排列と床形態で賄いきれるか不安がよぎります。
右側と前方が特に早く転覆するため、右側義歯床と後縁部のみ床形態を改変しました。そうすると今度は左右小臼歯部の歯槽頂部につよい圧迫による痛みが発現
後縁と右側床縁の修正と軟性裏装、咬合調整の結果わずかですが、落っこちなくはなりましたが、またいつ落ち着かなくなるか分からない。臨床歯科を語る会の全体会でKDMの永田先生が言われていた症例はこんな感じなのかなと思います。
脆弱な顎堤なので義歯の床形態や粘膜への適合はこの旧義歯とそれほど劇的には改良は望めないかと思います。
側方運動時もあまり仕事をしていない。上顎前歯部の下顎前歯に対する位置がよくない為、わざと当てていないようにも見えます。
前医がなにか理由があってそうしたのかは今後分かってくる事なのかもしれません。
by nooji1 | 2017-10-06 19:59